嘘つきな自分が嫌だ!
私は生まれつき匂いがわからないのですが
その事を知っているのは今のところは家族だけです。
匂いが全く分からないということは自分から言わない限り周りに気づかれることはありませんでした。
目に見える障害というわけでもないし、ましてや自分自身が嗅覚障害だとハッキリわかったのも20代の時でした。
私はこれまでの人生で
“匂いの分かる人”を演じて過ごしてきました
演じているというよりは
幼い頃から自然と身についてしまったといった感じですが…
日常生活の中でする会話...
「これいい匂い〜✲*゚」
「なんか臭くない??」
「ニンニク食べたから臭いかもー💦」
「雨の匂いがするー🌧」
「タバコ臭くて嫌だねー🚬」
「美味しそうな匂いがするよ〜🤤」
「この香水いい香り〜」
このような匂いに関する会話は
匂いがわかる人たちにとってはほとんど無意識に発していると思います。
そしてその度に私は嘘をついてしまいました
「ほんとだ〜」
「そーだね!いい匂いだね」
いつからか分かりませんがそれが普通になっていました。匂いに関する事には適当に話を合わせるということがいつの間にか得意になってしまったのです。
恐らく小さい頃はそういった会話の時に
「私には分からない」
と言っていたのだと思います。
ですが、その度に会話を止めてしまったり
幼い自分には上手く説明ができずに、友達には「鼻が詰まってるんじゃないー?」なんて言われたこともありました。
先天性嗅覚障害というものが世間的にあまり認知されていない為、
「私匂いがしないんだよね」
と言ったところで周りには
「そーなんだー!私もあんまり鼻が利かないんだよね」「私も今風邪ひいてて匂いわからなーい!」くらいに返されてしまうのです。
匂いが全く分からないのと、あまり鼻が利かない
というのは天と地ほどの差があり
視覚障害で例えると
失明している人と少し視力が悪い人
といった感じでしょうか。
私は1度小さい時に母と耳鼻科へ行ったことがあります。
かなり昔なのであまり記憶にはないのですが、
耳鼻科の先生が母に
「お母さん、これは大変なことですよ...」
という深刻そうに言った言葉だけなんとなく覚えています。
幼いながらに
「あ、私ははみんなと違って何かがおかしいんだ。どうしよう...」と思いました。
結局原因はよく分からず、母が言うには何か漢方薬と点鼻薬を貰ったようですが、何も効果はありませんでした。
その日から15年以上も病院を受診することはありませんでした。(※20代でもう一度耳鼻科を受診した話はまた別の記事にしたいと思っています!!!!!)
最初にも書きましたが、私は20代になるまで、自分に先天性嗅覚障害という病名がつくということを知りませんでした。
先天性嗅覚障害ということを知るまでは
“匂いの分からない自分”
というものに対してなにか得体の知れない恐怖のようなもの感じることがありました。
自分のことなのに、“匂い”に関してだけ“分からない”部分があるというのはどこか気持ちが悪く、とても不安な感じでした。
もっと早く大きな病院などで調べてもらえばよかったのですが、なかなか勇気がでませんでした😔
私が匂いが分からないということをカミングアウトしないのは
心のどこかで周りに知られたくないという気持ちもあったのだと思います。
周りの反応が怖い、どう思われるんだろうという気持ちがとても強かったです。
何よりも、今まで匂いが分かると思ってた人に「実は全く匂いがしない」なんて言われたら困惑するだろうなぁ...😣
今まで嘘をついていたことをどう思われるんだろう...😞
とネガティブに考えてしまいなかなか言えませんでした。
なので無意識のうちに自分にも他人にも嘘をつき、あたかも匂いを感じているように接してしまったのです。
結果として嘘に嘘を重ねどんどんカミングアウトしにくくなっているのです😰
でもこれは恐らく匂いの分からない人あるあるだと思います。(私だけだったらすみません...)
ふとした時、嘘をついている自分に罪悪感を感じてしまい落ち込みます。
それでもカミングアウトする勇気がなかなかでないのです😢
最近カミングアウトのことについて妹に相談をしたのですが、
「そんなに深刻に考えなくても大丈夫でしょ」
とのことでした(笑)
確かにこんなに気にしているのは、案外自分だけなのかもなぁとも思います🤨
仲の良い友達などにもいつか自分の嗅覚障害のことを話せるようになりたいです...
先天性の嗅覚障害の方はどの程度周りの人にカミングアウトしていますか?